金沢大学大学院医薬保健学総合研究科 内科系医学領域放射線科学

Department of Radiology, Kanazawa University Graduate School of Medical Sciences

研究

研究

IVR

 低侵襲性治療の代表格ともいえるIVR(Interventional Radiology)は、もともと血管造影の技術を応用して外科的手術と同等の効果が得られるように治療を行ったことが由来です。故高島力名誉教授(第2代教授)は、いち早く選択的血管造影の技術を米国より導入し、わが国の血管造影技術の発展に寄与しました。また、わが国が世界をリードする肝細胞癌に対するIVRについては、1980年代に松井名誉教授(第3代教授)が開発した経動脈性門脈造影下CT(CTAP)と肝動脈造影下CT(CTHA)による血流診断により高度の腫瘍診断が可能となりました。同時期には、本邦において肝細胞癌の経カテーテル的肝動脈塞栓術(TAE)の成績が発表されました。その後のカテーテル技術の進歩に伴い、松井名誉教授はマイクロカテーテルを用いた亜区域肝動脈塞栓術を開発しTAEの治療成績の大幅な向上と副作用の低減に寄与し、現在では世界の標準的な手技として認知されています。

 近年では南准教授・扇助教を中心として、血管外科と共同で大動脈のステントグラフト治療を行っています。本治療に関しては、我が国で企業製のステントグラフトが市販化される以前から松井名誉教授が開発したMatsui‒Kitamura stent(M‒Kステント)を導入して早期より治療しています。M‒Kステントは個々の症例に応じたオーダーメードのステントグラフトであるため、治療困難症例に対処するために光造形技術を応用した血管モデルを作成し、治療前のシミュレーションを行う研究を行っています。このような血管モデル作成技術の治療への応用はステントグラフト治療が一般化された現在においても複雑な症例においての治療に役立てています。また、人工血管の生体に対する生着促進についての薬剤溶出型ステントグラフトについての実験的研究やステントグラフト留置手技中におこる末梢への血栓飛散を防止するための補助デバイスの作成についての研究を行っています。

 有痛性椎体腫瘍に対する経皮的椎体形成術に関しては、我々のグループがいち早くわが国に導入しました。小林健元講師(現石川県立中央病院放射線科部長)と香田准教授がJIVROSG(日本腫瘍IVR研究グループ)の中心となって臨床研究がなされ、全国10施設の参加により安全性ならびに有効性についての評価である「経皮的椎体形成術についての第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験」を行い、その有効性が示されました。以前は高度先進医療として実施していた治療法ですが、この結果を受けて現在では保険収載されるに至り、通常の保険診療の範囲内で実施することが可能となりました。

 肝動脈塞栓術については、松井名誉教授のグループによって解析された肝細胞癌の血行動態をもとに肝動脈ならびに胆管周囲動脈叢を介した門脈側までの塞栓術に関して南准教授と扇助教により新しい液体塞栓物質とマイクロバルーンを用いた基礎的な実験的検討を行っており、第38回日本IVR学会において奨励賞を受賞しました。また、肝細胞癌ならびに多血性腫瘍や動静脈奇形の塞栓術における球状塞栓物質については、南准教授が実験的な検討も行ない、本邦への導入について主導的な役割を担いました。

金沢大学大学院医薬保健学総合研究科 内科系医学領域 放射線科学

〒920-8641 石川県金沢市宝町13-1 TEL 076-265-2323 FAX 076-234-4256
Department of Radiology, Kanazawa University Graduate School of Medical Sciences
13-1 Takaramachi 9208641 / Kanazawa JAPAN, TEL:81-76-265-2323 FAX:81-76-234-4256

© Copyright Department of Radiology, All rights reserved.